2000
兵庫の閑静な住宅街の1500坪の広大な敷地に、建てられたフランス料理のグランメゾン。山の中に恵まれたロケーションを生かし、それをレストランの中に景観として取り込んでいる。オーナーのプライベート空間としてプールやロッカールームを併設し、完全予約制のレストランからはその水面と山に向けて壁一面を開放する。窓から見えるのは水と緑のみ。あくまでもエクステリアが主役で、夜はプール内の照明が水面を浮かび上がらせる。この美しい景観を生かすために、店内はシンプルなデザインに徹した。ムクのチーク材貼りの天井は、木目をライティングすることで、店内を最小限の光に抑え、静かで落ち着いた印象を与えている。店名のキャビネット=大切な物を収納するための箱。アッシュ(H)=息を継ぐ、そのものの空間。